『ロード・オブ・ウォー 史上最大の武器商人と呼ばれた男』



【ストーリー】
ソビエト連邦崩壊前夜のウクライナに生まれたユーリー・オルロフは、少年時代に家族とニューヨークへ渡り、両親が営むレストランを手伝いながら育った。ある日ロシア人ギャングの銃撃戦を目撃したユーリーは、レストランが食事を提供するように、戦場に武器を供給する仕事をしようと決心する。弟のヴィタリーとパートナーを組んで闇の世界に足を踏み入れたユーリーは、混沌とした世界情勢を追い風に、瞬く間に世界有数の武器商人へと上り詰めていく。だがその動向を嗅ぎつけたインターポールのバレンタイン刑事が背後に迫っていた。


エンターテイメントする社会派。
本来とても暗いテーマであるところの武器売買に対する社会的主張と、娯楽性を融合させた大変巧い作品。タイトルバックの銃弾の一生(仏のCM会社が作っただけあってシーン毎の構成は見事と言うしか)で引き込まれ、後は怒涛。帰ってから監督アンドリュー・ニコルは『トゥルーマン・ショー』の脚本をした人と知って納得。売る側、買う側、捕まえる側に撃たれる側ときちんと皆ただの人間として描いていて好感が持てる。
小ネタがまた良いんだ。上記のポスターでも確認できますが、この映画のキャッチコピーに「弾丸(タマ)の数だけ、札束(カネ)が舞う――」と言う一文があるんだけど、作中の1シーンで、兵士が銃を一発撃つごとにチャリーン、チャリーンと銃声が響いたりする。あと独裁者の息子がランボーの銃が欲しいって言ったりね。
合間合間に挿入される銃撃シーンも小気味良く迫力があるため、途中でだれる事もない。それ以上のペースで挿入される濡れ場には笑いましたが。
ちなみに、これアメリカ資本は一切入ってないらしいですよ。やんぬるかな