『サイレントヒル』

 監督がクリストフ・ガンズ(『ジェヴォーダンの獣』の人)ということで期待していたのですが、まさに期待を裏切らぬ出来でした。
(以下反転)
 ねっとりと絡みつく霧、降りしきる灰の雪、グロテスクなクリーチャーと、足元からゾワゾワっと迫ってくるような空気感が良く表現されていた。踊り狂うダークナースの一個小隊には笑ったが。そういえばサイレントヒル喫茶なるものが期間限定であると聞いたが、やっぱりナースなのか? きっと顔にはパンスト装備だな。
 難を言うとクライマックスの虐殺シーンのカタルシスが足りなかったことか。主人公の身の安全は保障されているようなものなので緊迫感に足りないし、復讐シーンとしては八つ裂きというのは微妙だった。てっきり火炙りにするものだとばかり思っていたので拍子抜け。
 エンディングの静かな絶望感も良かった。おそらくは一人待ち続けることになるのであろう父親が不憫でならないが、ああいう終わりかたは好きだ。二重構造的な、助かったと思っていたらそうではないんだと言われるようなの。例えるならドーン・オブ・ザ・デッドとか。
 それにキャラクタの見せ方が実に巧み。中でも女巡査役の見せ方はその際たるものかと。下から上に持ち上げて好感度を稼いだ所で一気に落とす、というか殺す。これでクリスタベラへの反感を観客に抱かせておいて、ラストの虐殺に持っていくと。

(以上反転)
 隣の観客は見終わった後、グロイグロイと言っていましたが、さほどでもないと思うのでそういうのに耐性がある人にはお薦め。
SILENT HILL4 THE ROOMサイレントヒル PS one Books







 『ウルトラヴァイオレット』は実に微妙でした、まる