『大神』レビュー
- 出版社/メーカー: カプコン
- 発売日: 2006/04/20
- メディア: Video Game
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発売日からチョコチョコとやってたんだが、本日クリアしたので感想を。
まさに傑作ですね。映像に操作性、そしてストーリー……その全てが非常に高レベル。
まず映像としては水墨画風のポリゴンが特徴的。個人的には『俺屍』のそれを連想した。これは単純にマップだけ見ていても大変綺麗なのだが、中でも作中何度も行うことになる「大神降し」での映像は白眉。それまで暗闇に包まれていた世界が、「どばぁーーーー」っと色とりどりの草花で覆われていくシーンは素晴らしいの一言。この主の映像としては傑出しているのではないだろうか。
次いで操作性。戦闘ははっきり言ってぬるい。プレイを通して一度も死ぬことは無かった。が、手に入るアクションは数多く、ミニゲームやフィールドの操作なども多種多彩で、やり込む要素は幾らでもある。「使わなくてもクリアできるが、使えればモット楽しい」というスタンスか。これはおそらく『大神』というゲーム全般にわたって貫かれているテーマだと思う。つまり「ゲーマーにとっても非ゲーマーにとっても面白い」のが『大神』の一番の特長だろう。
ストーリーは基本に記紀神話と各種昔話を据え、所々に遊び心を加えたもの*1。キャラクタもそれに順ずるのだが、どれも捻りが効いてて魅力的。個人的にはアマテラス、イッスン、スサノオあたりがトップスリーか。それは置いといて、ストーリーの展開が巧み。序盤だけでも一つのお話しとして綺麗に纏まっており*2、ここで世界観に馴染ませておいて、中盤で一気に世界を広げている。はまる人はここら辺で延々フィールドを行ったりきたりしたり、ミニゲームに挑戦していたりしているのだが、終盤にはいると今度は一気に飛躍する。中盤で物理的な世界が広がったのに対して、終盤では世界観が更なる広がりを見せることになる。そしてオーラス、最終決戦では正直泣いた。例えると『うしおととら』の対白面戦というか……。
「今、オレ達は 太陽と一緒に戦っている!」
的な。こういう王道に弱い。いや、まぁ「アマテラス=太陽の化身」なんですが。
ん? その文法的でいうと『うしおととら』よりもむしろ『ドラゴンボール』よりか?
「地球のみんな、オラにちょっとだけ元気を分けてくれ」
とかなんとか。どっちだ。九尾の狐も出て来るし、展開的にはやっぱり『うしおととら』か。ボインだが。
それでいくとイッスン=獣の槍だな。
とりあえずアマ公かわいいよアマ公。神様の中の神様、無類無双の大神様なのに ちょっとバカめの 唯の犬にしか見えない。だが、それがいい。(いや、マジで)
おそらくここ数年に出たゲームの中では最高峰。やって損はなし。むしろやらなければ損だろう。一番の感想が「あー、終わっちゃった……」。
参考:『大神』公式HP