『氷と炎の歌1 七王国の玉座』


七王国の玉座〈下〉―氷と炎の歌〈1〉 (氷と炎の歌 (1))

七王国の玉座〈下〉―氷と炎の歌〈1〉 (氷と炎の歌 (1))

おはなし
 季節のバランスが崩れ、夏と冬ばかりが何年も続く「七つの王国」。かつての王ターガリエン家を退位させてから、スターク家、バラシオン家、ラニスター家ら王国の貴族たちは不安定な休戦状態を保ってきた。ところが、現在の王ロバート・バラシオンが幼なじみのエダード・スタークに補佐役「王の手」を任命してからは状況は一変する。首都キングズランディングで渦巻く王権を巡る貴族たちの陰謀は、エダードとスターク家の子供たちを次第に巻き込んでゆく。
 一方、南方の草原では「ドラゴンの子孫」を名乗るターガリエン家の末裔が騎馬民族と結託して、玉座の奪回を狙っていた。また王国の北側を守っている「壁」の向こうでは、人知を超えた邪悪な力が蠢き出し、七王国に長く厳しい「冬」の予感が漂い始める……。
はてなダイアリー


 やー、長いが面白かった。面白いが長かった。上下分冊とはいえ、これがまだ一巻に過ぎないんだから、喜べばいいのか困ればいいのか。勿論大喜びしますが。

 装丁はあまり好きになれないが、内容は素晴らしかった。重厚な世界観、多彩で魅力的な人物像、そしてストーリーの流れ。実に骨太の素晴らしいファンタジィでした。登場人物の数、そして場面ごとに主役が変わる章立てのために初めは苦労するだろうが、各自の名前・性格・立場などが分ってくるにつれ、それぞれの物語に引き込まれていく。言い方を変えるならはまる。

 しかしておはなしは、隠された多くの謎、混迷を極める戦の行方、分かたれた子供たち、北方の異変に南の諸勢力、そしてドラゴンの最後の末裔…などと魅力的な要素を抱えたまま次巻『王狼たちの戦記』に続く、と。

 この『七王国の玉座』は確か今月辺りから五分冊で文庫化される(どれ位長いかが良く分る)ので、そちらもお薦め。