一万と二千年前から愛してる

子供が生まれたら犬を飼いなさい。
子供が赤ん坊の時、子供の良き守り手となるでしょう。
子供が幼年期の時、子供の良き遊び相手となるでしょう。
子供が少年期の時、子供の良き理解者となるでしょう。
そして子供が青年になった時、
自らの死をもって子供に命の尊さを教えるでしょう。
                    英国の諺


実家で飼っている犬が心臓を手術したのですよ。原因は虫。イメージ的には蟲。蚊を媒介に感染する寄生虫です。幸いにも手術は成功し、元気な姿を見せてくれましたが、以前飼っていた犬は同じ虫にやられて、死んでしまったことを考えると、割合早期に見つかってよかったです、本当に。
ちなみに犬の誕生が一万と二千年前と言うのは割と信憑性が高い説。もっと古いという説の方が有力ですが。きっと八千年過ぎた頃からもっと恋しくなったに違いない。





あとついでに貼り付けとく、『犬の聖書』『犬(を飼う人の)の十戒、それに『虹の橋』というその筋では有名な詩。

犬の聖書
この世の中では親友でさえ、あなたを裏切り、敵となる事がある。
愛情をかけて育てた我が子も深い親の愛を、すっかり忘れてしまうかもしれない。
あなたが心から信頼してる最も身近な愛する人も その忠節を翻すかもしれない。
富はいつか失われるかもしれない。最も必要とする時に、あなたの手にあるとは限らない。
名声はたった一つの思慮に欠けた行為によって 瞬時に地に堕ちてしまうこともある。
成功に輝いてるときは、ひざまずいて敬ってくれたものが失敗の暗雲があなたの頭上をくもらせた途端に 豹変し、悪意の石つぶてを投げつけるかもしれない。
こんな利己的な世の中で決して裏切らない恩知らずでも不誠実でもない絶対不変の唯一の友はあなたの犬だ。
あなたの犬は、富める時も貧しき時も健やかなる時も病める時も 常にあなたを助ける。
冷たい風が吹きつけ、雪が激しく降る時も主人のそばならば冷たい土の上で眠るだろう。
与えるべき食物が何一つなくても、手を差し伸べれば キスしてくれ世間の荒波にもまれた傷や痛手を優しく舐めてくれるだろう。
犬は貧しい民の眠りを、まるで王子の眠りのごとく守ってくれる。
友が一人残らずあなたを見捨て立ち去っても、犬は見捨てはしない。
富を失い名誉が地に堕ちても、犬はあたかも日々空を旅する太陽のごとく、変わることなくあなたを愛する。
たとえ運命の力で友も住む家もない地の果てに追いやられても、忠実な犬は、共にあること以外、なにも望まず、あなたを危険から守り、敵と戦う。
全ての終りが来て、死があなたを抱きとり、骸が冷たい土の下に葬られる時、人々が立ち去った墓の傍らには、前脚の間に頭を垂れた気高い犬がいる。
その目は悲しみにくもりながらも、油断なく辺りを見回し死者に対しても忠実さと真実に満ちている。
                                      作者不詳

犬の十戒
1.私の一生は10〜15年くらいしかありません。
  ほんのわずかな時間でも貴方と離れていることは辛いのです。
  私のことを買う(飼う)前にどうかそのことを考えて下さい。
2.私が「貴方が私に望んでいること」を理解できるようになるまで時間を与えてください。
3.私を信頼して下さい…それだけで私は幸せなのです。
4.私を長時間叱ったり、罰として閉じ込めたりしないで下さい。
  貴方には仕事や楽しみがありますし、友達だっているでしょう。
  でも…私には貴方だけしかいないのです。
5.時には私に話しかけて下さい たとえ貴方の言葉を理解できなくても、私に話しかけている貴方の声で 理解しています。
6.貴方がどれほど私を扱っても私がそれを忘れないだろうということに気づいてください。
7.私を叩く前に思い出して下さい。
  私には貴方の手の骨を簡単に噛み砕くことができる歯があるけれど私は貴方を噛まないように決めている事を。
8.言うことをきかない、頑固だ、怠け者だとしかる前に私がそうなる原因が何かないかと貴方自身に問い掛けてみて下さい。
  適切な食餌をあげなかったのでは?
  日中太陽が 照りつけている外に長時間放置していたのかも?
  心臓が年をとるにつれて弱っては いないだろうか?
9.私が年をとってもどうか世話をして下さい 貴方も同じように年をとるのです。
10.最期の旅立ちの時には、そばにいて私を見送って下さい。
  「見ているのが辛いから」とか、「私の居ないところで逝かせてあげて」なんて 言わないで欲しいのです。
  貴方が側にいてくれるだけで、 私にはどんなことでも安らかに受け入れられます。
  そして……どうか忘れないで下さい 私が貴方を愛していることを。
                                     作者不明

虹の橋
天国の、ほんの少し手前に「虹の橋」と呼ばれるところがあります。
この地上にいる誰かと愛しあっていた動物は、死ぬとそこへ行くのです。
そこには草地や丘があり、彼らはみんなで走り回って遊ぶのです。
食べ物も水もたっぷりあって、お日さまはふりそそぎ、みんな暖かくて幸せなのです。

病気だった子も年老いていた子も、みんな元気を取り戻し、傷ついていたり不自由なからだになっていた子も、元のからだを取り戻すのです。
…まるで過ぎた日の夢のように。

みんな幸せで満ち足りているけれど、ひとつだけ不満があるのです。
それは自分にとっての特別な誰かさん、残してきてしまった誰かさんがここにいない寂しさのこと…。

動物たちは、みんな一緒に走り回って遊んでいます。
でも、ある日…その中の1匹が突然立ち止まり、遠くを見つめます。
その瞳はきらきら輝き、からだは喜びに震えはじめます。

突然その子はみんなから離れ、緑の草の上を走りはじめます。
速く、それは速く、飛ぶように。
あなたを見つけたのです。
あなたとあなたの友は、再会の喜びに固く抱きあいます。
そしてもう二度と離れたりはしないのです。

幸福のキスがあなたの顔に降りそそぎ、あなたの両手は愛する友を優しく愛撫します。
そしてあなたは、信頼にあふれる友の瞳をもう一度のぞき込むのです。
あなたの人生から長い間失われていたけれど、その心からは一日も消えたことのなかったその瞳を。

それからあなたたちは、一緒に「虹の橋」を渡っていくのです…。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
けれど、動物たちの中には、様子の違う子もいます。
打ちのめされ、飢え、苦しみ、誰にも愛されることのなかった子たちです。
仲間たちが1匹また1匹と、それぞれの特別な誰かさんと再会し、橋を渡っていくのを、うらやましげに眺めているのです。
この子たちには、特別な誰かさんなどいないのです。
地上にある間、そんな人は現れなかったのです。

でもある日、彼らが遊んでいると、橋へと続く道の傍らに、誰かが立っているのに気づきます。
その人は、そこに繰り広げられる再会を、うらやましげに眺めているのです。
生きている間、彼は動物と暮したことがありませんでした。
そして彼は、打ちのめされ、飢え、苦しみ、誰にも愛されなかったのです。

ぽつんとたたずむ彼に、愛されたことのない動物が近づいていきます。
どうして彼はひとりぼっちなんだろうと、不思議に思って。

そうして、愛されたことのない者同士が近づくと、そこに奇跡が生まれるのです。
そう、彼らは一緒になるべくして生まれたのでした。
地上では巡りあうことができなかった、特別な誰かさんと、その愛する友として。

今ついに、この「虹の橋」のたもとで、ふたつの魂は出会い、苦痛も悲しみも消えて、友は一緒になるのです。

彼らは共に「虹の橋」を渡って行き、二度と別れることはないのです。
                                      作者不詳